2010年05月14日

ある男の話。

男の子は二者択一が苦手だった。

右に進むべきを左に進み、左に進むべき道で右に進んだ。
進むべき道では戻り、戻るべき道では進んだ。
降りるべき勝負に挑み、勝てる試合を放棄した。

男の子の選択は常に誤りだった。

それは男の子が男になるまで続いた。

その日、幸せであるべき時、男の子は不幸だった。

その日、男の子が抱いた女の子には、あるべきではないモノがあり、あるはずのモノがなかった。

生涯最良の日になるはずだったその晩、男は神を呪った。
あらん限りの言葉で神を罵り、飲めない酒を飲み、自分のこれからの人生を思い、絶望の余り首をくくった。


しかしここでも、男の選択はあべこべに作用した。
紐は男を支えるには余りにも細く柔だったのだ。

そして、紐は、切れた。

あくる朝、死ぬはずだった死ねなかった男は、首に紐を巻いたまま目を覚ました。生きていて良かったのか、悪かったのか、男には分からなかった。とにかく頭が痛かった。


その日は一日眠り続けたが、その翌日からは日常に戻った。

男の女だった男だった女の番号を消去し、写真を捨て、鍵を付け替え、耳に残る低めの声を忘れようと努めた。

その日、何かが、いつもと違っていた。何か、何かがおかしい。違う、何かがおかしくないのだ

=========ここまで5月14日=========
その日は新聞が届いていなかった。それまでは頼んでもいないのに毎日届けられていた新聞。
その日は


posted by onb at 22:38| Comment(0) | その他。 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
この記事へのコメント
コメントを書く
お名前:

メールアドレス:

ホームページアドレス:

コメント:

認証コード: [必須入力]


※画像の中の文字を半角で入力してください。
×

この広告は1年以上新しい記事の投稿がないブログに表示されております。